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不審者の青春

オス! オラ不審者!
立ち入り禁止の学校に、オッサンが忍び込んじゃうぞ!
高校球児の練習にだって、ハダカで乱入さ!
わーい、つかまえてごらん、アハハハハハ…

あ、やめてッ! 金属バットで場外に飛ばさないでッ!
あらやだ、宙に舞うこの姿、まるでイカロスの気分!!

yakuu.jpg

と、いうわけで、と。

いつもの漫画を描く前の、資料写真撮影でございます。

次は学園青春物を描くので(野球ものではありませぬ)
舞台のモデルにピッタリな学校を探し
当日いきなりカメラを片手に、アポなし突撃です。


電車に揺られてついたのは、なんてことはない
引っ越し前の家の隣町。
わあー懐かしいなあ…なんて感情があるワケもなく。
まだ半月もたっとらん。


その某学校の、裏門に大きく
『関係者以外、校内の立ち入り禁止 不審者注意!』
の注意書きが。

こりゃ手強そうだ。
でもまあ、このご時世そりゃそうだ。

しかし、10年前にカメラ持ち込み禁止の裁判所に突撃した時とくらべれば…。
警視庁の正門で、見張りの警察官の前で写真撮った時とくらべらば…。


などど今までの辛い単独取材を思い返し、勇気を持って正門にまわるが
頭の中では(こりゃダメだ、別の学校探した方がええかもしれん…)
と、あきらめモード。


正門に守衛さんの事務室があり、白髪のオジイさんが
近寄ってくるウヒョを窓越しに、すでに怪訝そうな顔で見ておられるわけで…。

「あー… すみません…」
「×××…?」

窓越しに声をかけるが、オジイさん、窓を開けようともせず、声も聞こえない。

「あのー窓開けてもらえません?」
「×××…?」

いっこうに椅子でふんぞり返ったままで、話を聞いてくれない。
ああ、この態度は、某埼玉県の消防署を取材した時の、広報のオヤジと同じ態度だ…。
漫画家は馬鹿にされるか、怪しまれるかのどっちかだもの。

あの時は最終的に、長い交渉の末、警戒されて写真を撮らせてもらえなかった。
くそう、オレに「大学教授」とか「朝日新聞」とか「美食倶楽部会員」とか
ハクのある肩書きがあれば…!


…などと黒い渦をヌルンヌルン巻かせながらも、何度目かのゼスチャーで
やっとオジイさんを大地に立たせる事に成功。
ススーっと、錆びた鉄枠の窓が開く。


「あ、あのです…ね、よろしければキャンパス内の写真を撮らせてもらえないかと
 許可を頂きに来たのですが~~~~~…(やっぱダメですよね?)」

「どうぞ」


ズコー

古き良き表現で言えばズッコケである。
拍子抜けとはこのことだ。

なんかくやしかったので、そのまま言葉に甘えればいいものを

「で、でも、胸につける許可証とかいりますよね? あと身分証明とか…」
「…別に?」
「あ、それじゃ、ここは近寄っちゃダメとか、撮影禁止の場所とかなどは…?」
「校舎の中には入らないんだよね?」
「そっ、それはもちろん! キャンパスの外観だけです!」
「じゃあ、ないよ」


終了。

外にあった記録紙に名前と時間を書き入れ、そのままフラーと敷地内へ潜入成功。
潜入もなにも、許可もらったので、堂々と歩いてパシャリパシャリ。
休日なので、部活動の生徒がわずかいるかどうかで、とても静か。
広大なキャンパスを、ウヒョ1人で冒険している気分。
これは楽しい!


校舎や学生寮、食堂や体育館などとまわりつつ
たまに通りすぎる生徒さんや職員らしい人に会釈したりするも
とくに声をかけられることもなく、完全にスルーされる。

あれか? 念のため、ヒゲそって行ったのが良かったのか?


金属バットの音と、陸上部のピストルの音が懐かしいグラウンドに降りてみる。
練習の邪魔にならないよう、ここでも遠巻きにパシャリパシャリ。


そんな時、ウヒョの様子を遠くから見ていた、一部の生徒たちの声が耳に。

「なんだろうね?」
「写真部じゃない?」
「ああ写真部か」


よし!
まだヒゲそれば、ウヒョでも10代イケるか!

ないない、それはない。
遠くからツッこもうかと思った。


なんだかんだで、300枚くらいデジカメに撮らせてもらって
守衛のオジイさんに「ありがとうございました」と声をかけ、脱出成功。


やっぱり帰りも窓は開けてくれませんでした。
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艶姿ナミダ娘、つげっぽいね

新居の整理が無事終了。
あとはアパート2件の引き渡しが残るのみ。
まだ引き渡しを終えるまで完全には落ち着けませんが
ダンボールの山々が消えたことで、ずいぶんホッといたしました。

090505_2137~01


おかあちゃんの好みと一存で、古い民家を借りたんだけど
不思議なことに、何年も住んできた家のように落ち着くのです。

2階をおとうちゃんの仕事場にしたんだけど、写真のように
意味不明の1畳間があったりする。

つげ義春さんの自伝的漫画で
家賃を滞納しすぎたために、便所を改造した1畳間に押し込められる話があったけど
あんな感じの、不思議なスペース。
もうね、ぞくぞくします。
たまらなく好き。

でね、トイレはちゃんと、他の場所にあるの。
1階と2階、別々に。
3つ目のトイレがあったわけでもないだろうに、なんざんしょ?


古いだけあって、窓枠の位置が
ちょうどあぐらかいて座った時に、ヒジをつける位置にあるのも、つげっぽくて好き。
お風呂も天井が高いし、湯船も広いし、タイルの柄は懐かしいし
でもなぜか全自動で、トイレは新しいウォシュレットだったり…。
収納は多くて、古いけど柱は多くて頑丈で、近所の人達はみんないい方っぽいし。

ああ、ええなあ…。


よく考えたら、上京してここが、5件目の賃貸物件。
そのすべてが、不動産屋で一発目に見せてもらった家。
いつも迷うことなく、すんなり短時間で決まってる。
それは幸運なのか、欲がないのか、運命なのか。

おとうちゃんと、おかあちゃんの住処の好みが一緒で
「つげっぽい」を重視してることが一番大きいのだと思います。

うちのムスメは何もわからず、はしゃぎまわって
バタバタ走りまわっているけど
一軒家だから、床下や壁向こうの住人を気にしなくていいのが、また嬉しい。


最近のムスメ、2歳4ヶ月。

やっぱり女の子なんだなって感じる行動が増えてきた。


まず、おとうちゃんが床に寝そべってテレビを観ていると
「ねんね!」と言って、枕を持ってきてくれる。
ありがとうと頭の下に敷くと、今度は毛布を持ってきて
しっかり体が隠れるよう、シワを伸ばし、かぶせてくれる。
そして、その毛布に自分も入ってきて、添い寝をしてくれる。
かわいい。

だが、すぐ目の前にムスメの後頭部があるので、テレビがいつもまったく見れない…。


「アリさんとアリさんが、ごっつんこ~♪」という歌が気に入って
よく自分で歌ってる。
そして歌いながら、グリグリと頭突きをしてくる。
そしてチューをして去って行く。
かわいい。

だが、ムスメの歌う歌詞が
「あーりさん、あーりさん、おっ、ちんこー!」
それがさらに
「ちんこー! ちんこー! ちんこー!」に変わってきたので
外に連れ出している時は、かなり緊張する。


そんな、つげっぽい日々。







引っ越しました

さらば8年住んだ羽城市。
(羽城市:タネダミキオの舞台の町、ていうかウヒョが住んでいた町)

ということで、前よりもだいぶ都心より。(でも区ではない)
アパート2軒借りていたのを、一軒家ひとつにまとめました。
もちろん売れない漫画家が新居を建てられるワケもなく、賃貸でございます。

やっと今日ネットがつながり、まだ荷解きもろくに終わっておらず
一息つけそうでつけない、フワフワした状態。
ああ早く落ち着きたい。
世間ではゴールデンウィークらしい。
なんだそれ、食えるのか?

090501_1143~01

食えるらしい。





引っ越し前夜、ウヒョは1人ダンボールに囲まれた部屋で眠り
早朝、ものすごい寒さで目が覚める…。

日中は暑くなると聞いたので、上着などはすべて梱包しちゃっているし。
でも引っ越し屋さんが来るので、早いとこ布団もしまわなくちゃいけない。

もちろん暖房なんてありゃしない。
せめて温かいものが飲みたいけど、お湯をわかすヤカンもしまっており…。
なにか食べたいが、食料もない。

まるで冬山で遭難して、寒さに震えてる登山者の気分。
お湯をわかす燃料もコッフェルもなければ、テントもツェルトもない、そんな感じ。


身体をこすりながら、荷物の点検。

うーぷす!
冷蔵庫の氷が溶けてない!
昨日しっかりコンセント抜いたはずなのに!

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ウヒョが上京した時に買った、年代物の小型冷蔵庫。
長いこと放置していたので、霜が見事な氷柱に。
たった一晩じゃ溶けきらなかったらしい。
しかも、中の電線をごらんの通り、飲み込んで大きく育ってしまったご様子。

岩壁からはすでに氷は剥がれ落ちているが、飲み込まれたザイルがジャマで取り出せず…。
かといってザイルを切れば、冷蔵庫が滑落して死んでしまうし…。
放っておくと、引っ越しのサカイのお兄さんが、溶け出す氷の水分で凍症になってしまう。
手元には梱包し忘れた、サビついたニッパーのみ。
ザイルを切って楽になれということか…?


そこでウヒョの生死を賭けた選択。

『ニッパーでコツコツ氷を割る』


もうね、寒いし冷たいし、完全に冬山の遭難者。
アイスパイルで氷壁を削って、なんとかテラスを作ろうとしている、そんな状態。

ジュクジュクの霜なので、普通の氷のように、パリンパリン景気良く割れることもなく…。
しかもあまり強く打つと、電線が機体からブチ切れて、冷蔵庫死亡という最悪の結果も…。

コツコツ、ミリ単位で削って、数十分後になんとか電線救出。
窓の外は明るく太陽が輝き、ああ天候回復、あとは救助隊(引っ越しのサカイ)を待つのみ…!
ああ、ヘリの音が聞こえる…!!


いや、幻聴。
そんなことばっかりだった、8年間の最終日。


新しい町では、いいことたくさんあるといいな。

引っ越してきて、2日目。
いいことはまだ、ない。
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