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あばれはっちゃく無理すんな

遥か 遥か彼方にゃオホーツク 紅い真っ赤なハマナスが
海を見てます 泣いてます

sihatu.jpg

あれは去年の4月頃だった。

あの唄をきいて、ぼくは突然海がみたくなり
新宿から房総行きの列車にとび乗ってしまったのだ。

「駅員さん… この辺の海に… ハマナスの花はありますか…?」
「ハマナス? ああ…あの紅い…。 それならあそこに…」

komaeki.jpg

節子、それハマナスやない。
地下女将軍や。


ええ、海どころか、背景に山が見えてますよ。

去年の4月どころか、つい先日の話、〆切も無事クリアしたってことで
日頃の運動不足解消に、またまた始発に乗って、山登りに行ったのでございます。

なにせ、仕事やら風邪で寝込むやらで、3ヶ月くらいまともに外を歩行していないので
「アルプスの少女ハイジ」のクララと競歩したところで、半周も差を付けられて負けるぐらいの
筋力ダウンの情けなさですよッ!! その姿に、ペーターも男泣きですよッ!!

そんでもって、西武線は高麗駅あたりに「物見山」という、標高300mくらいの
レトルトカレーでいえば「甘口」みたいな山があるっていうので
リハビリもかねて、歩行訓練ハイキングにゴーでございます!!

でもねえ… またウヒョ助さんの悪い癖が出てしまいまして。

ハマナス、いや、高麗駅にそそり立つ奇怪なモニュメントを
車窓から眺めておりまして、ここで急いで降りなきゃいけないのに

「かつてヒマラヤの8000mの山々を登り尽くした、このボクが
 幼稚園児も登れる山なんぞに登って喜んでいいものかね、ヒラリー君ッ!?
 エベレストの山頂で、オクラホマ・ミキサーを踊ったこのボクがああああああああーッ!!」

と、よせばいいのに、降車拒否ですよ。
いつもの自分を見失うビョーキでございますよ!

ここから地獄の始まりですよォオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーッ!!

shomaru.jpg

早朝6時50分。
秩父山塊の麓、正丸駅に下車。
平日のこの時間に、こんな辺境の地に降り立ってるのは、ボクふくめて3人。

どうやらこの駅から「伊豆ヶ岳」という、標高851mの手頃な山に取り付けるらしい。

手頃って言ってもねえ…。
実際、標高300mの丘でも、まともに歩けるか怪しい、ボクの運動不足っぷりですよ。
それを確かめるべく、この日の登山の計画を立てていたはずなのに
情報もまったくない秩父の山の麓に立ち尽くし、コースもよくわからぬまま登山開始でございます。

izuga.jpg

「正丸峠まで登って、そこから伊豆ヶ岳! さらに子の権現まで歩くのが私のいつもコースですよ!
 体調よければ、飯能駅まで歩いて帰っちゃうんだから! 私こう見えても67歳ですよ~?」


登山口で挨拶を交わしたのが運の尽き、地元の登山好きのオジイちゃんからずっと話しかけられ続け
気がつけば一緒に登山道を歩きつつ、オジイちゃんの67年間の半生を聞かされるハメになるボク。

山で登山客とすれ違うたび「こんにちはー!!」と挨拶せねばならない、あのマナー。
あれが苦手で、つね日頃、誰も山に来ていない夜明け前に登るようにしていたボクですから
これはもう、最悪の展開ですよ。

「いやあーお父さん、体ひきしまってますもん! あと20年は登れますよ!」
「うむ、これが医者に見せたものならね、どこも悪くない、たいしたものだって言うもんでねぇー!」
「ほーう、食事とかも、やっぱり気をつかってらっしゃるんですか?」

くっ…!よせばいいのにッ…!!
職業柄のサービス精神なのか、単なる沈黙恐怖症なのか
うっかりボクが言葉を返せば返すほど、オジイちゃんが会話ノリノリ、ヒートアップが止まらない。
ここから、オジイちゃんの朝、昼、晩の献立メニューを聞かされるハメに。

足腰の強いジジイに歩調合わせているもんだから、早々にバテ始めるワタクシ。

「ここから分岐だけど、キミどうする? 私はこっちの距離は長いけど、楽に歩けるコースを選ぶけど。
 そっちは山道が急だからしんどいよ~? 沢登りだから、足下危ないし。」

「あ…いやあ~~~。で、でも沢登り、面白そうだなあ…!
 ボク久々の山登りなので、大変でもチャレンジしてみよっかなぁ~~~…?」

「そうかい頑張ってね、正丸峠でまた会おうや!」

sawa.jpg

会ってたまるものかと、沢沿いの道を足早に登るボク。
あっちが遠回りしている間にサッサと正丸峠での途中休憩も、華麗にスルー。
伊豆ヶ岳の山頂を目指し、足の筋肉がパンパンになっているのも我慢し、どんどん登り続ける。

山頂が近づいて来た時には、ただ立っているだけでも、ふくらはぎに激痛が走る、最悪のコンディション。
完全にペース配分をミスってる。
でもワシは、あのジジイを振り切る必要があるのじゃ!
さもないと、奥さんとの馴れ初めから、93歳のお母様の人生まで聞かされる
そんなネバーエンディングストーリーが待っているじゃないかあああああああああああーッ!!

izutop1.jpg

そして伊豆ヶ岳、登頂。

「ここから次に目指すは、天目指(アマメザス)峠だな! その先に子の権現だ!
 なあに山5つくらい、登り降りしたら着いちゃうからよう~♪
 お兄さんも、もちろん一緒に子の権現に向かうだろ?」


うわぁあああああああああああああああああ!!
団塊の世代はワープを使えるのかぁあああああああああああ!!

すでに山頂で、山火事を恐れずにタバコをくゆらすジジイが、ボクに手を挙げてニヤリ。

くっ…下山したい…!
このまま、正丸駅に戻って、家に帰り、風呂入って
お母ちゃんの作ってくれた、スネ肉のビーフシチューを食べて寝たい。
わしのスネが、ふくらはぎが、三日煮込んでもカッチカチなくらい、石化しとるのじゃッ!!

せっかくの山頂でのロケーションが、涙でゆがんで見える。

izutop2.jpg

ここから強制的に、次の峠を目指す縦走がスタート。
急なアップダウンが延々と続き、リハビリどころかすでに苦行、ヒザがすでに限界ガクガクですよ。

足のふんばりが効かないから、急な坂道でそのまま何度も崖を転がり落ちそうになるのを
90年代トレンディードラマのキムタクよろしく
女優さんを背中から抱きしめるがごとく、木に必死にしがみつきながら進む。

「峠で先に待ってるからさ! そこから一緒に子の権現まで行こうや!
 ここまで来て、子の権現の巨大ワラジ見ないなんて言わせないぞう! アッハッハ!」


殺す気か。

クマ鈴をチリンチリン鳴らしながら先へ進むジジイの背中を
途中で休憩した、高畑山の山頂で作り笑顔で見送りつつ…

姿が消えたと同時に地面にヘタリこみ、ケツまでひびく筋肉痛の苦痛にうめく。

アカン、次の峠まで、あと山道を8キロ…!
足は動かない。このままここで泊まるか…? 秩父の山のど真ん中で…!
ここで凍死したら、ボクの慰霊碑なんかが建つのじゃろうか?

それはあまりにカッコ悪いので、ジジイの捨てていったマイルドセブンの吸い殻を拾いつつ
足をひきずるように、歩行を再開。

そして
早朝、山歩きをスタートして、なんだかんだで5時間経過。

amae.jpg

天目指峠の休憩所(屋根とベンチがあるだけ)に到着。

ちょっと先の案内看板前で、おそらくボクを探しているジジイのクマ鈴の音が聞こえるが
休憩所の死角に隠れ、なんとか見つからずにやり過ごす努力をする。
見つかったら、さらに先へ進まされる事になる…!!

鈴の音が遠く小さくなってきたので、こっそり峠の道を使って下山しようと決断。

峠の下り道は2つ

どっちかが、西武線の駅がある方面に下山する天国コース。
どっちかが、反対側の秘境に降りる地獄コース。

案内板を見ればすぐわかるのだが、ジジイに見つかるとやっかいで、確認に行けない…!

しかし、ここは自分の運を信じて
ジジイが鈴を鳴らしている反対側の道を、いちかばちか選び、生死を賭けたダッシュ逃げですよ!

さらばジジイーッ!!!
なんだかんだで楽しかったぜ、ボクが生きていたらまたどこかで会おう!



…そして、1時間後。

見事、地獄コースを選んだ事に気づき、聞いた事もない、バスも通ってない集落の軒先で
死んだように倒れている、ボクの姿があったとさ。

おしまい。

izugamap.jpg

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